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システムズアプローチ研修会のご案内

さまざまなことがらをシステムとして捉え、システムが織りなす関係を扱うシステムズアプローチは、個人・家族の心理療法ではもちろんのこと、医療、看護、教育、産業、福祉、司法等、さまざまな領域において有効性を発揮します。本研修会は、システムズアプローチの基礎的な知見をコンパクトに集中的に学ぶことで、システムズアプローチの実践へと踏み出すための基板作りをすることを目的としています。

各回の講義は、事例や実践場面を踏まえつつ行います。またナラティヴ・セラピー、コラボレイティヴ・アプローチといった近年の潮流についても取り上げます。個別のアプローチを事典的、縦割りに把握するのではなく、家族療法やシステムズアプローチの歴史全体の流れから理解することを目指します。

研修はオンラインで実施をいたします。また講義後、一定期間講義動画の配信を行います。広くご参加いただけますと幸いです。

●2024年度プログラム
第1回 11月3日(日) 事象とフレーム
システムズアプローチとは何か、概略を見渡した後、「フレーム(枠組み)」について説明します。事象とフレームを分別し、フレームをいかに把握するか、その「型」を学びます。「クライアントや家族のフレームを把握し、フレームを活用する」、というプロセスは、システムズアプローチの根幹をなす部分であり、その基礎的な理解を図ります。

第2回 11月24日(日) ストーリー構成
ストーリー構成〜リストーリー:被支援者の語りは、支援者の受け取り方、言動によって多様に変化します。被支援者とのコラボレーションを推し進めるには、支援者の側が被支援者と共有可能なストーリーを能動的に構成する必要があります。システムズアプローチは、ダブルバインド概念に顕著なように人間間のコミュニケーションを階層的に理解しようとしてきました。第2回では、意味の階層性に着目してストーリーを図式化し視覚的に構成する仕方を学びます。また、ストーリーの変化をリフレーミングから理解します。リフレーミングは「言葉の言いかえ」という実践イメージが流通しておりますが、臨床現場で効果的に役立てるためには、「パンクチュエーション」概念をつうじてその仕組みを理解する必要があります。

第3回 12月22日(日) コミュニケーション・パターンとMRIのアプローチ
システムズアプローチにおけるコミュニケーションは「会話」に限定されません。また、人間関係を個に閉じ込めず関係そのものを理解する上で欠かせない概念です。第3回では、MRIの「コミュニケーション公理」を学ぶことで、臨床場面におけるコミュニケーションの捉え方を学びます。その上で、人間関係をコミュニケーション・パターンという観点から仮説設定する仕方を学びます。加えて、システムズアプローチと関連の深い、MRIによる解決努力の悪循環パターンにアプローチする手法を学びます。

第4回 2025年1月19日(日) 家族療法の活用〜合わせること、肯定すること
システムズアプローチの決して小さくない源流のひとつが家族療法です。まずは構造的視点から「合わせること」を学びます。構造派家族療法のジョイニングは、システムズアプローチの中でも最重要概念のひとつです。合わせることを円滑に行うために、関係性の遠近、アップ・ポジションとダウン・ポジションと呼ばれるセラピストの位置を知り、自ら調整することを学びます。後半は発達的視点を頼りに「肯定すること」についての理解を深めます。家族ライフサイクル論、多世代家族療法が提起した時間性を活用する視点から、関係者の歴史を肯定的に理解しようとします。あわせて、「肯定的意味づけ」のための円環的質問法、そこから展開したリフレクシヴな質問方法をおさえます。

第5回 2025年2月16日(日) ポスト構造主義的アプローチの諸相
家族療法の根本思想は、半世紀以上の歴史を経て、来談者や家族といった対象の制御から、協働的関係の構築へと変化しています。システムズアプローチや家族療法が積み上げてき過去の知見をどこまで生かすのか、他方、ナラティヴ・セラピーやコラボレイティヴ・アプローチといった近年の理論はどのように活用可能なのか、現代までの展開を整理し具体的な活用を目指します。また、近年のシステム論であるオートポイエーシスを取り上げ、その臨床活用の方途を提示いたします。

第6回 2025年3月23日(日) まとめ
最終回は、全体のまとめとして、まず研修修了後に実践に移すためのチェック・リストを用いて、さらなる研鑽へとつながる道標をお示しします。次に、講師による同席面接のデモ視聴や事例を通してディスカッションを行います。これまでの講義で学んだことは、面接場面でどのように用いることができるのか、セラピストは何を考え、どのようなスタンスで、どのような発話の仕方を選択するのか、具体的なところをご覧いただき、イメージをつかんでいただく一助としたいと思っております。

*日程は変更となる場合があります。また、学習の進行によって内容を変更する場合があります。

 

時間:各回とも 10:00 〜 15:00

場所:Zoomによるオンライン開催(一定期間見逃し配信あり)

講師:田中究(関内カウンセリングオフィス代表、日本家族療法学会認定スーパーヴァイザー)

安江高子(関内カウンセリングオフィス、日本ブリーフサイコセラピー学会理事)

参加条件:医療、看護、教育、産業、心理、福祉等の領域において援助職に従事している方、

もしくは当該分野の大学院生。守秘義務を遵守できる方に限ります。

募集人数:30名

参加費:65,000円(全6回分)

申込締切:2024年10月20日(日)(早期に締め切る場合があります)

申込方法:お名前、ご所属、メールアドレス、電話番号、免許・資格を明記の上、

下記のフォームからお申し込みください。

お申し込み後、ご参加頂ける方には開催場所やお支払い方法等の詳細をご連絡致します。

※本研修会は、「臨床心理士」資格更新のための研修機会として申請する予定です。

 

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本研修会ではシステムズアプローチによる面接の進め方について少人数で具体的に学びます。2024年度は全4回実施いたしますが、ご都合に合わせて1回ごとにご参加頂けます。位置付けとしては「システムズアプローチ研修会基礎コース」の続編です。オンラインと対面の交互開催となる予定です。システムズアプローチの習得には対面練習が不可欠だと考えますが、この数年間で得られたオンラインによる練習の良さも取り入れていきます。

ステップアップ研修は、毎回ミニトピックによる復習から開始します。その後、ロールプレイの設定表を用いてロール設定を行います。臨床実践を被支援者の立場から見てみることは、被支援者の期待を軸に面接を進めるコラボレイティヴなシステムズアプローチを実践する上で重要な経験となるはずです。

オンライン開催の場合、Zoomのメリットを活かして講師がロールプレイの流れ、コンテクストをリアルタイムで可視化し、面接内で何が起きているのかについて、またシステムやコミュニケーション・パターンのとらえ方について解説を行います。知的な理解にとどまらず、参加者お一人おひとりの枠づけ方や動き方の傾向を把握し、それらをよりいっそう活用していくことを目指します。

●2024年度

第1回:7月7日(日)(オンライン)
第2回:10月14日(月祝)(対面) 
第3回:2025年2月11日(火祝)(オンライン)
第4回:2025年4月13日(日)(対面) 

 

時間:【オンライン】10:00 〜 17:00 【対面】10:00 〜16:30

場所:【オンライン】Zoomによる開催(後日一定期間の録画視聴あり) 【対面】神奈川県横浜市内の公共施設で実施

講師:田中究(関内カウンセリングオフィス代表、日本家族療法学会認定スーパーヴァイザー)

安江高子(関内カウンセリングオフィス、日本ブリーフサイコセラピー学会理事)

参加条件:医療、看護、教育、産業、心理、福祉等の領域において援助職に従事している方、もしくは当該分野の大学院生で、上記システムズアプローチ研修会を修了された方。守秘義務を遵守できる方に限ります(現在、新規のご参加につきましては当オフィス主催「システムズアプローチ研修会(基礎研修)」を修了された方に限らせていただいております)。

募集人数:8名

参加費:10,000円(各回)

申込方法:現在、新規のご参加につきましては当オフィス主催「システムズアプローチ研修会(基礎研修)」を修了された方に限らせていただいております。修了された方には、ステップアップ研修会の各回ごとにニュースレターを通じてお申し込み方法をご連絡いたします。

* 現在、下記「お申し込みフォーム」からのお申し込みは受け付けておりませんのでご了承ください。

 

インターネットからのお申し込み

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なお、上記研修会のうち「システムズアプローチ研修会」は臨床心理士資格の継続ポイント対象に

申請する予定です。

 

研修会参加者専用ページはこちらからご利用ください。

 

 

スーパーヴィジョン

 

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当オフィスでは、臨床心理士やカウンセラーだけでなく、医療や福祉、教育領域等における対人援助職の方に対するスーパーヴィジョンを承っております。スーパーヴァイズは主としてシステム論に基づいて行っております。システム論は、個人面接はもちろんのこと、家族療法・夫婦面接、スクールカウンセリング・産業臨床といった、複数の関係者や集団に対する有効なアプローチを提供してくれます。

「システムズアプローチ」や「ブリーフセラピー」を用いて実践に当たられている方にも有益な視点をもたらしてくれるはずです。

また、リフレクティング・チームを用いながらスーパーヴァイズを行うことも可能です。スーパーヴァイジーのポテンシャルが拡がり、多様なアイディアへと開かれていくきっかけになると考えています。

詳細はこちらよりお気軽にお問い合わせください。